Wonderful Harmony

アーティスト紹介 Vol.1 トライトーン(Try-Tone)

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「本当に上手な人はこういう所で地道にコンサートをしているのねぇ」。
後方で観ているご婦人が、興奮さめやらぬ様子で語り合っていたりします。
トライトーンのアカペラを観に行くといつもこんな場面に出くわして、
「フフフ。実はここにいる私、このグループ作っちゃった張本人だもんね。」
とニコニコしてしまいます。

洗練された編曲(アレンジ)技法と、コンサートでの演奏再現クオリティ。
ジャズで使われるモダンなハーモニーをあんなに散りばめながらも、日本語をしっくりと馴染ませている。
それでいて、トライトーンはステージで素朴におどけてくれます。
真摯に音楽の内容で勝負しているところが最高にアーティスティック。

アカペラといえば「ああ、テレビで観たあんな感じね」「楽器なしのお手軽音楽ね」「ボイパって凄いよね」というイメージの方もいらっしゃるかもしれませんが、トライトーンのアカペラは優しく行き届いた Wonderful Harmony です。

トライトーンのような「アスリート用」のアレンジを歌いこなすためには、相当の演奏精度が必要です。
相対音感の精度、声のコントロール精度が、調律された鍵盤楽器よりも細やかでなければ100%のクオリティになりません。
精度が高ければ、演奏中に耳で、音と音とが溶け合うポイント、響き合うポイントを探して呼応しながら演奏できるから、そこに生きた心地よい揺らぎが生まれます。

ビクターからデビューしたのが1994年。とはいえ1990年ごろにはトライトーンの前身となるグループが出来ていました。
私がトライトーンに在籍したのは留学前年の1996年までですが、1997年のアルバム「A Cappella 1」、1998年のアルバム「A Cappella 2」には私の声やアレンジも収録されています。

現在では手に入り難いものなので、是非、ライブならではのトライトーンを観てみてはいかがでしょうか。
私も客席のどこかでニコニコしているかもしれません。

トライトーン オフィシャルウェブサイト
http://www.try-tone.net/

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